活動実績

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ポークアカデミー学校

日本の食肉消費はめざましい伸長をしめし、今日では伝統的な魚介類蛋白質に代わって動物性蛋白質給源としては、最も主要な位置をしめるようになりました。なかでも豚肉は牛や鶏肉に比べ、もっとも日本人の食生活の中で親しまれてきたものですが、近年あらためてその栄養学的価値が見直されているほか、加工品分野においても常に中心的な素材となっております。

一方、社会全体の成熟化、人口動態の変化や経済の停滞の中で、市場全体の量的な伸長がこれまでのようには期待出来なくなっている中、より付加価値の高い新しい商品開発の必要性が益々求めらるようになってきています。食肉加工においては欧州に蓄積された歴史と伝統があり、特にその多様な製品群については、これからの日本市場における多様なニーズに対応して行く上で参考とすべき多くの点があります。製品開発においては、これから伝統地域の発想に学ぶことがそのきっかけのひとつと言えるでしょうが、同時にそうしたアイデアを生かして、日本の消費者により適した形で完成させる技術技法も求められます。

現在の日本の食肉加工業界における生産システムは大変高度に発達しており、その水準は世界でも屈指のものとなっておりますが、その高度なシステム化、分業化ゆえに、また体系的な食肉知識や伝統的な技術技法を総合的に備えたスタッフを、いかに効率的に教育し配置してゆくかが、業界全体にとっての課題ともなっています。商品開発における企画の平板化を克服しオリジナリティーのある多様な新商品を生む製品開発を実現して行くために、基礎となる知識や技法をもう一度見直す事があらためて求められてきているとも言えるでしょう。

この度、幾百年にわたって豚肉を利用して来た私達デンマークで、日本人業界関係者の方々を対象に集中カリキュラムによる短期アカデミーを開設できます事は、研究開発、製造、販売企画等の分野で将来指導的な役割を果たしていく事が期待される職員の研修の場として絶好のものであるとともに、長期的には、両国業界の良好な関係発展に寄与する事を願ってやみません。

日本人研修生のための特別研修プログラム

主催デンマーク農業理事会
学校所在地デンマーク食肉技術学校(ロスキル市)
本部事務局デンマーク農業理事会(コペンハーゲン)
日本事務局デンマーク農業理事会 日本事務所(東京)
寄宿舎本校付属の寄宿舎及び外部宿泊施設
期間概ね10日間
対象日本国内食品業界において、豚肉関連の業務に従事している方
定員15名を目途とする
※申込み終了後、選考を経て研修生を決定します。
費用総研修費のうち、約3割を上限とした額を研修生負担とし、これを超える部分はスカラーシップとしてデンマーク側が拠出します。
※研修費、往復航空運賃、滞在費、食費、研修先への国内交通費などの必要経費の一切を含む。

内 容

研修プログラムは、履修の過程でスクーリングとフィールド・スタディが平行して進行するように計画されています。
研修内容は下記のように構成されています。

スクーリング(講義)1.農業、豚肉産業と政治、経済
2.家畜生理学
3.家畜解剖学
4.食肉蛋白質化学
5.食肉加工製造学(食品添加物化学を含む)
6.食品衛生学(細菌学、微生物学を含む)
7.工場設備と機械学及び技法の基礎
8.Codex (HACCP, ISO等) 国際品質標準化基準
9. サステナビリティ(脱炭素、動物福祉、家畜病などを含む)
フィールドスタディー
(一部実習を含む)
1.枝肉処理(脱骨・分割・カティング)
2.加工品製造・製品開発
3.検査・試験研究システム
4.食肉工場視察
5.その他市場、関連施設等視察

修了システム

研修の最終段階で修了資格認定のための審査が行われ、認定された者にはアカデミーから「バチュラー・オブ・デニッシュポーク」のディプロマとバチュラー徽章が授与されます。